ゲーム作品の多くは、最初にそのゲーム世界の設定を説明し、体験者が世界観を学ぶためのチュートリアルが存在している。その中で、ゲーム世界での「敵」「目的」それに重力などの「環境」、そして自分の「能力」を、体験者は学ぶ必要があるため、設定が複雑になればなるほど、作品世界に馴染むには時間がかかる。本作はそういった「世界の成り立ち」の部分をまるまる4コマ漫画に任せてしまっている変わり種の作品である。ゲームの作りはまだまだ荒削りなものの、その荒さも4コマのゆるいストーリーとのバランスが取れていてゲーム世界にはこういうゆるさもあっていいかなと感じた。こういった方法で作られるゲームと漫画の2つの中域にあるような作品ももっと見てみたい。
(萩原俊矢)