私と万博の間柄

内覧会で感じた「これは混むわ」の予感→的中

一般客としての「洗礼」
しかし、現実はなかなかハードでした。混雑と行列が大の苦手な私にとって、東ゲートの手荷物検査待ちの行列の時点で心が折れそうに。4月の時点でかなり暑く、夏フェスのような重装備で訪れる人が大勢いた理由が理解できました。夏場は一体どうなるのか……?
(教訓:入場時行列が一番ヤバいし日除けもない状態なので、夢洲に到着時点でゲートに並ぶ前に日除けと水分を持ったほうがいいです)
さらに、SNSで話題のイタリア館の独自予約システムが機能せず、「予約を取ったのに全然入れない!」というトラブルにも遭遇。行列嫌いの私はここで早々にリタイアしました(他のパビリオンは問題なく予約通りに入れましたのでご安心を)。

万博は“パビリオンガチャ”?
研究者の魂を感じた石黒浩氏によるシグネチャーパビリオン「いのちの未来」

テクノロジーそれ自体の斬新さというよりは、長年アンドロイドと向き合ってきた第一線の研究者のアンドロイド・ロボット・人間観の集大成として心に響く構成でした。
細かい点ですが、アクセシビリティ対応も非常に優秀。観客一人ひとりに観賞用のデバイスが配布され、多言語対応や鑑賞位置の自由度が担保されるなど、幅広い国籍や身体条件の観客が平等に楽しめるように設計されていたのも印象的でした。
SNSに出回る写真や動画よりも、実物の方が圧倒的に「禁忌に触れている」ようなドキドキする感覚があり、やはりパビリオンという物理空間で体験できてよかったコンテンツです。

会場の“圧倒的異物”としての落合陽一氏・シグネチャーパビリオン「null²」
もうひとつ心を打たれたのが、SNSでも話題で、予約抽選の当選確率が激低となっている「落合館」こと、シグネチャーパビリオン「null²」。
外観からして明らかにヤバい建築。ロボットアームが外壁を激しく振動させている震える建築は、遠目からでも目を引き、今回の万博において最もアイコニックな存在になっています。
万博のプロデューサー陣に対しては、「利権目的で関わっているのでは」といった、一般的なイメージや先入観を持たれていることもあるかもしれませんが、これはもう途方もない使命感がなければ完遂できない領域だなと実感。自分はここまで踏ん張れるだろうか……?と、落合さんをはじめとした、現場で粘り抜いた制作チームへのリスペクトが自然と湧きました。

変態性と属人性が希望になる
後編は近日公開予定