在学中からはじめた、いい学びの「おすそ分け」
「Anitoon Academia(アニトゥーンアカデミア)」のお話もお聞かせいただけますか。

YouTubeチャンネル「AnitoonTube」にはヨーヘイさんが解説するさまざまなチュートリアル動画が

「教えてほしい」の声に応えて、2つのクラスを用意
YouTubeを経て、その後生徒に直接教えることになるのでしょうか。

一応利益はあるものの、本業にできるほどではなく、かといって仕事をしながら続けていくのもなかなか大変です。実は生徒の到達度によって受講のお断りもしています。利益を考えれば誰でもウェルカムにした方がいいのかもしれませんが、自己投資を無駄にしないためにも必要なことだと思っています。今のところ半分趣味ですね。教えるのが好きですし、学生の頃にこんなスクールがあったらよかったなというものができあがっていくのが楽しいのです。
それに、今回CG-ARTSさんとTokyo Anim Uniteでご一緒できたのはこの活動を継続しているからだと思います。この活動への投資はこういったかたちでペイオフされているのだと思っています。
日本のIPでハイパーリアルなCGアニメーションを
今後の展開について、日本のコンテンツに興味をお持ちのようですね。
日本のマンガコンテンツは世界一、世界からしたら金塊です。ヒーローもののジャンルの縛りがあるアメリカンコミックと違って、テーマも表現も幅広い。さらに今や、世界の投資家までもが日本のコンテンツで育ってきている時代です。イーロン・マスクだってアニオタです。これから先、日本のIPが世界のエンタメを席巻することは間違いないと思っています。
僕の次の目標は日本とアメリカでチームを組んで、日本のIPでハリウッドクオリティのCGアニメーションをつくることです。日本の2Dアニメはすでにピークの域に達していると思いますが、ハイパーリアルなCGアニメーションはまだ飛躍の可能性が十分ある。僕は三浦建太郎さんのダークファンタジー『ベルセルク』が大好きなのですが、ブリザードのシネマティッククオリティで、最高のルックでCG映画にしたら、とんでもない作品ができるのではないかと思っています。あるいは奥浩哉さんのSFアクション『GANTZ』も面白そうです。
そうした作品づくりを志したとき、いいものをつくるにはまず大きなバジェット、つまりは海外の投資家が必要です。さらにハリウッド映画などで活躍しているような、クオリティコントロールができるスーパーバイザーも必要でしょう。そのもとで、日本の若いアニメーターたちを雇い育てるのです。
作品へのリスペクトがある投資家と、アメリカと日本の両制作チーム、日本のIPホルダー、その三角形がうまく機能すれば、すごくいいものがつくれる。日本とアメリカを橋渡ししてチームビルディングをする人間が必要なわけですが、アメリカでアニメーションのキャリアを積み、日本で日本のコンテンツと育ってきた自分は、両国を繋ぐチームをつくる人間として適任なのではないかと思っています。
コロナ禍によってリモートワークが常識化した今だからこそ、実現可能なんじゃないかと思っています。