
「いのちの未来」パビリオンの外観。黒く覆われた外壁には水が流れ、見るたびに表情が変わります。
ZONE1:いのちの歩み
リアルなサル型ロボット「アイアイ」に迎えられて進んだ先にあるのは、「いのちの歩み」をテーマにした導入のゾーンです。ここでは縄文時代の土偶から仏像、そしてアンドロイドまで、日本において時代と共に変化してきたさまざまな“人の形”が並んでいました。時代を超えて並ぶ“人の形”から、私たちがいのちをどのようにとらえてきたか、その感性の変遷を感じ取ることができました。

ZONE2:50年後の未来



ZONE3:1000年後のいのち「まほろば」
最後のゾーンでは、1000年以上先の未来における“ミレニアムヒューマン”のアンドロイド「モモ」が複数体登場します。ここに足を踏み入れた時、空気感が変わったことを覚えています。その神秘的な姿は、未来の “いのち”そのものを象徴しているかのようで、人間とアンドロイドの境界が曖昧になるどころか、もはや生命の進化を別のかたちで体現しているかのような、圧倒的な存在感を放っていました。

おわりに
シグネチャーパビリオン 「いのちの未来」は、単に最新テクノロジーを見せる場所ではなく、大阪・関西万博のテーマとも見事に合致した、未来との接触を体験する場でした。拡張していく私たちの“いのち”の可能性に希望と怖さ、そんな相反する感情が心に残る不思議な余韻を得られた体験空間でした。

~関連書籍のご紹介~
『いのちの未来 2075 人間はロボットになり、ロボットは人間になる』
日経BP 日本経済新聞出版(2025)
石黒 浩(著)
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/25/03/24/01924/
『アンドロイドはマンションの夢を見るか?』
毎日新聞出版 (2025)
石黒 浩(著)
https://mainichibooks.com/books/science/post-720.html